一見病院における看護師のような存在に思われがちですが、歯科衛生士はお口のケアのプロフェッショナルです。その仕事内容は次の4つの業務から成り立っており、それぞれに専門性の高い知識・技術を必要とします。近年、超高齢社会に伴い、口腔ケアが注目されています。
歯科衛生士の主な4つの業務内容
1. 歯科予防処置
人が歯を失う原因の多くが「むし歯」と「歯周病」です。
この2つを歯科の二大疾患といい、多くの人が罹患しています。つまり、むし歯と歯周病を予防することができれば、自分の歯を一生保つことができるのです。歯・口腔の疾患を予防する処置として「フッ化物塗布」等の薬物塗布、歯垢(プラーク)や歯石など、口腔内の汚れを専門的に除去する「機械的歯面清掃」(PMTC)など、予防的な医療技術があります。
歯科衛生士はこのような歯科予防処置の専門家です。
2. 歯科診療補助
歯科診療は、歯科医師を中心とした「チーム医療」として行われます。
その中で、歯科衛生士は歯科医師の指示を受けて歯科医療の一部を担当するなど、歯科医師との協働で患者様の診療にあたります。
歯科診療補助の範囲は多岐にわたり、器具、薬剤などの準備、事務やカルテの整理など、歯科診療を円滑に行うために大切な役割を果たしています。
また、歯科医師と患者様とのコミュニケーションに配慮し、信頼関係に基づくこころ優しい歯科医療を行うことも重要な仕事のひとつとして心掛けています。
3. 歯科保健指導
むし歯や歯周病は生活習慣病です。
そのため治療よりも予防、さらに本人自らが生活習慣を改善することが大切であり、正しい生活習慣やセルフケアを実行するための専門的な支援(指導)が不可欠です。
そのために歯の磨き方や栄養の摂り方など年齢やニーズに応じて適切な指導を行います。
歯科保健指導は、幼少期から更年期までの各ライフステージにおいて、また健康な人、病気や障害がある人などすべての人に必要な支援です。
4. 口腔ケア・訪問歯科診療
高齢者や障害者の口の中を清潔に保ち、病気を予防したり、自分の口から食べられるようにしたりするなど、生活の質を高めていきます。